自然地域レクリエーションにおけるゾーニングの可能性(<特集>森林計画最前線-緑豊かな森林の育成を目指した最新研究-)
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概要
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都市計画手法として展開したゾーニングが,自然地域の計画においても用いられている。だが,保安林やレクリエーショ-ンの森指定でも,最近の森林計画における機能区分においても,必ずしも空間条件に限定されないレクリエーションを特定ゾーンに割り振っている。自然公園法では森林などの資源とその管理に関わる保護規制としてゾーニングは用いているが,レクリエーションは土地利用中心のゾーニングにはなじみにくいことを考慮し,2003年の法改正で導入された「立入規制区域」「利用調整地区」があるに過ぎない。このように日本では自然地域レクリエーションのゾーニングは,未発達であることが歴史的分析から明らかになった。一方で,レクリエーション計画のフレームワークであるレクリエーション機会多様性(ROS)概念を検討した結果,利用自体ではなくその機会を提供するセッティングを構成する施設のあり方ならばゾーニングをある程度適用可能であることが示された。この考え方を,アメリカのアディロンダック公園や国立トレイルにおける密度規制やコリドー概念に関わる帯状ゾーニングと併用することによって,歩道や山小屋など施設の配置や規模も管理し,過剰利用問題などに対処することが期待される。
- 日本森林学会の論文
- 2005-12-01
著者
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