スギ交配家系の基礎的材質指標の遺伝的母数の評価
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概要
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スギ交配家系の胸高直径および基礎的材質指標(辺材部および心材部における容積密度と生材含水率およびヤング率)の遺伝的母数について,17年生の次代検定林(3反復,21組み合わせ)の間伐木で評価した。各交配家系の材質調査結果について分散共分散分析を行い,狭義の遺伝率,表現型相関および遺伝相関を計算した。分散分析の結果,雌親間および雄親間ではほとんどの材質に有意差がみられたが,反復×組み合わせおよび雌親×雄親における交互作用はヤング率のみで有意差がみられた。狭義の遺伝率は,辺材部と心材部の容積密度およびヤング率において0.2前後であったが,生材含水率では低い値を示した。遺伝相関は,表現型相関に比べてほとんどの材質間で密接な関係を示したが,ある材質の改良が必ずしも他の材質を改良するとは限らなかった。これらの結果から,個別材質の改良は可能なものの,材質の総合的な改良を行うには選抜手法をさらに検討する必要があることがわかった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 2005-10-01
著者
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