花の適応進化の遺伝的背景に迫る : 「咲かない花」閉鎖花を例に(<特集2>エコゲノミクス : ゲノムから生態学的現象に迫る)
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概要
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閉鎖花とは、花弁と雄しべが欠失・滅少し、つぼみの状態で自家受粉する完全自植型の花である。本稿では、「咲かない花」閉鎖花を花の適応進化のモデル形質と位置づけ、その遺伝的背景に迫った研究を紹介する。閉鎖花は、様々な被子植物で独立に被数回進化しており、何らかの適応的意義をもっていると考えられている。材料には、モデル生物シロイヌナズナに近縁なアブラナ料野生植物コカイタネツケバナを用いた。閉鎖花と開放花間での遺伝子発現パタンを比較するために、近年、生態学や進化生物学研究にも急速に普及しつつある網羅的遺伝子発現比較法であるマイクロアレイ実験を行なった。その結果、少数の遺伝子において発現パタンが異なることが明らかとなった。これらの結果を基に、遺伝子の調節領域の進化が閉鎖花の進化に関係があるのではないかという仮説を提示した。
- 2007-03-31
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