総合型地域スポーツクラブの現状と課題 : ファイニーズフットボールクラブを通して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
あらゆる人々に開かれ、かつ地域住民によって運営される「総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型と略記)」の育成が奨励されて二年になる。総合型を育成することによって得られる社会的効果が数多く指摘されているにもかかわらず、現状では総合型の育成は順調ではない。結合型の育成が奨励される一方、単一種目型クラブの切り捨てが報告されているが、本稿では総合型と同じく地域貢献を目的とした単一種目クラブの活動を通して、総合型実現への課題を浮き彫りにすることを目的とする。根本的には、わが国のスポーツを取り巻く文化的・歴史的背景と、総合型の育成が地域住民のニーズにどの程度フィットしているかが関係していると思われる。総合型の地域への貢献はスポーツ参加者がより高い利益を得ることによって二次的に発生する効果が期待される。したがって、総合型を育成することのメリットを参加者に説くのではなく、参加者のニーズ、地域の実情に応じたクラブづくり、そしてさらに新規参加者を開拓できるような魅力的なクラブづくりが必要であると考える。
- 九州大学の論文
- 2003-02-14