高校教師の権威・権力意識
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概要
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本稿では調査票を用いた意識調査の結果に基づいて、高校教師の権威・権力意識について考察を行う。今回の意識調査では、高校教師の規範に関する意識を調べるために福岡県の高校教師8,453人を母集団として設定した。分析においては、管理職の高校教師と非管理職の高校教師の権威・権力意識の比較に焦点を合わせた。管理職、非管理職の2つのグループについては、権威・権力を行使する主体の立場に立つか、それとも行使される客体の立場に立つかに応じて異なったケースが考えられる。権威・権力の行使主体としてとらえた場合、生徒に対して校則への従属を要求する程度は、管理職の教員の方が相対的に大きい。さらに管理職の教員は、生徒の権威・権力に従属する態度と勉学の態度とを関連づける傾向が相対的に高い。この意味で、管理職の教員の方がより権威主義的であると言うことが出来る。次に、両者を権威・権力の行使を受ける客体としてとらえる場合であるが、管理職の教員の方が国家の権力に追従することに関してより寛容である。従って、管理職の教員は非管理職の教員と比較して、権威・権力の行使の主体・客体のいずれの立場においても、権威・権力への従属について肯定的であり、いわば二重の意味で権威主義的であると言うことが出来る。
- 九州大学の論文
- 2003-02-14
著者
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