幼児の不安認知と対処能力についての発達的変化
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概要
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本研究では,不安を喚起する状況についての認知を「不安認知」と名づけ,幼児において不安認知と対処能力はどのように発達していくのかということ,またその2つに連続性があるのかということ,そして不安認知と分離不安の関連について調べた。3歳から6歳までの子ども90人に8枚の不安状況場面の図版を用いて面接調査を行った。また被験児の母親に分離不安に関する質問紙を実施した。結果として,加齢につれて認知された不安が低下していくことがわかった。対処能力は加齢につれて上がっていくようであった。不安認知と対処能力の連続性についての推論は一応支持された。また,この加齢による変化に3つのパターンが見られ,分けられた図版の内容もパターンごとに傾向が見られた。母親の分離不安調査と図版によって調べられた認知される不安との関連についての結果から,不安に様々な側面が存在することが確認された。
- 九州大学の論文
- 2000-03-10