特別なニーズをもつ大学生への支援:教育的発達的観点から精神障害・発達障害学生の修学支援を考える〈特集:大学における特別な教育的ニーズへの対応〉
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概要
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大学は利用者である学生の就学環境を整えるサービスに取り組む必然性に直面している。特別なニーズをもつ大学生へのケア環境の整備は、健常学生にとっても貢献するものである。本論では筆者が教員・学生相談員・デイケアスタッフ三様の立場で経験した精神・発達障害の学生との関わりをエピソード形式で紹介し、特別なニーズをもつ障害学生支援を教育的発達観点から考察を行った。ケア環境をつくりだし、見つけだすためには、従来の教育システムや医療・相談システムの枠組みの脱構築が求められるとともに、長年培われてきた大学社会ならではのいわば日常の世話焼きコミュニティとでもいうようなケア環境の自覚的な活用が必要である。また支援関係を継続することの重要性と、心理アセスメントのフィードバックが成長発達支援としての意義をもち、相互理解の機会をも提供することを述べた。最後に枠組みの脱構築は日常の対話から生じることを論じた。
著者
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