美術教育のための「能力」観の研究
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概要
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今,わが国の教育改革で「能力」観が注目されるのは,アメリカやPISA調査でのcompetencyの重視と「新しい学力観」が内包する傾向などがある。ここでは,日本語の「能力」を, ability, faculty, potentiality, capacity, competencyという英語の用法を通して,美術において働く「能力」の現れとして,その多様な側面を分析する。特に,competencyについて,アメリカでは競争的能力として強調されるが,PISA調査やフィンランドなどでは,個人の他者や社会との関り方まで広い意味で使われ,わが国の新しい学力観とも共通する「共創」力でもある。また,評価の観点としても,「能力」観の分析は有益である。capacityやcompetencyを含む「能力」観から,美術活動における「感性」の働きを再考するのが今後の課題である。
- 美術科教育学会の論文
- 2007-03-31