海外市場における対顧客インタフェース・プロセスの役割の検討 : 米国における日系携帯電話端末メーカーの事例から
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概要
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本稿では、企業が、国内外の複数の顧客企業との関係の中で、どのようにその技術や製品開発能力を効果的に活用することができるのかについて検討する。少数の顧客企業との緊密な関係は、独自もしくは新規の製品技術や開発能力の探索を促すとされてきた。しかしながら、国際化の中で顧客や市場の多様化が進んでいることから、企業には、国内外で様々な顧客企業に特有の知識を吸収し効果的に製品開発に活用することが、求められている。本稿は、米国における日系携帯電話端末メーカーの事例を用い、製品開発の上流段階に限定された対顧客インターフェース・プロセスによって、国内外の複数の顧客との緊密な関係を上手く使いこなすことができると指摘する。製品開発プロセスでは、こうした工夫された対顧客インターフェース・プロセスは、国内外の顧客企業に応じて、仕様や技術を効果的に選択し組み合わせることを可能にしている。これらの知見は、製品開発における効果的な顧客知識の移転が、企業の技術や開発能力の活用を促すことを示している。こうした国際的な知識の統合プロセスは、知識/問題解決の視点から説明される。
- 国際ビジネス研究学会の論文
- 2006-09-30