情報は捨てても本は捨てるな(<特集>図書館への提言)
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概要
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21世紀冒頭,公立図書館の未来にかかわる二つの重要な出来事が起こった。Googleの図書館蔵書の電子化プロジェクトと,東京都庁による都立図書館蔵書の大量廃棄だ。両々あいまって,図書館人や出版人や利用者のあいだに,資料の「保存」と「利用」にかかわる伝統的な図書館原理をこの先も保持てざるのだろうか,という不安がひろがっている。電子化を図書館の伝統的原理に連続させ,新しい技術をわれわれの社会に安定的に着地させるための方策は,まだ見えていない。その困難を直視しない経済先行の図書館改革を批判的に考察する。
- 2007-04-01