乳癌術後のリンパ浮腫患者に行った複合的理学療法の効果
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概要
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乳癌術後のリンパ浮腫患者に対して行った複合的理学療法(Complex Decongestive Physiotherapy, CDP)により,自覚症状が軽減するなどの効果が見られた症例を経験した.CDPとはリンパ浮腫治療の代表的な保存的療法であり,スキンケア,徒手リンパドレナージ(Manual Lymph Drainage, MLD),圧迫療法,そして圧迫療法下の運動療法の4つの療法を組み合せている.この症例は,60歳の女性で術後5年目に左側上肢にリンパ浮腫を発症し,病期はII期であった.私達はCDPに則り,週1回のMLDを行うと同時に,スキンケア,セルフマッサージ,上肢の運動,そしてスリーブの着用方法について教育した.その結果,7ヶ月後には患側上肢の周径と,特に腕のだるさや違和感などの自覚症状が改善した.さらに,浮腫に対するセルフケアができることを確認し,外来での介入は終了した.今後は,本療法による介入によりどのように浮腫が変化するのか,また,いかに生活の質の向上に効果があるか等について明かにし,支援体制の構築について探求することが必要である.
- 山口大学医学会の論文
- 2007-02-28
著者
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山本 滋
山口大学医学部消化器・腫瘍外科
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山本 滋
山口大学医学部応用分子生命科学系・外科学第二講座
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中尾 富士子
山口大学医学部保健学科臨床看護学講座
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伊東 美佐江
山口大学医学部保健学科基礎看護学講座
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TURALE Susan
山口大学医学部保健学科基礎看護学講座
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