龍山村森林組合における指導班の編成・展開過程とその意義
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概要
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林業への若年就業者の育成確保において先駆的な取り組みを行ったのが,静岡県龍山村森林組合である。昭和53年に新規参入者を受け入れ育成するための組織である指導班を結成し,平成10年までの21年間でも県外出身者を含め75人の指導教育を行っている。彼らは,龍山村森林組合作業班員や組合幹部職員の多くを占めるだけでなく,出身地域の林業技術者にも成長し,さらに龍山村等の婿養子や嫁としても定着している。本研究では,こうした成果を生み出した背景として,組合長,常務理事,課長,主任等執行部や従業員代表の後継者育成への適切な判断や迅速な決断および新規就業者受け入れにあたっての自己犠牲と献身,多様な事業分野への進出による経営基盤の安定強化,格付賃金と研修カリキュラムの導入など雇用制度の確立をともなった「指導班」の創設を摘出した。これらの側面は,雇用確保と地域定住の両面において現代に共通するとともに,依然として先端的な対応のあり方を示している。
- 2007-03-01