胆嚢十二指腸婁を合併した左側肝外性胆汁嚢胞(biloma)の1例
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概要
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症例は54歳,男性,心窩部痛と発熱のため近医を受診し,黄疸を指摘され当院に紹介入院となる。腹部超音波,CT検査では肝左葉より脾周囲にかけて嚢胞状の液体貯留を認めた。経皮的嚢胞穿刺により胆汁の排出を認め, bilomaと診断した。ERCP検査により,総胆管結石が見られ,内視鏡的乳頭切開による結石除去を行った。胆嚢摘出手術時に胆石胆嚢炎と共に胆嚢管閉鎖と陳旧性胆嚢十二指腸婁の合併が認められた。本症例の肝外性bilomaの発生機序は,胆嚢管閉鎖に加え,総胆管結石の嵌頓による胆管内圧の急激な上昇が,肝内胆管末梢枝を破綻したものと推測された。この現象は胆嚢十二指腸婁の発生機序と類似している。このようにbiloma基礎疾患としての胆道病変が存在する場合には,経皮的嚢胞ドレナージ術と共に胆道病変に対する外科的治療も必要であると考えられた。
- 長崎大学の論文
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