一般演題 36 損傷乗り越えDNA合成に関与するヒトREV1の基質特異性を決定するアミノ酸残基の同定
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概要
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電離放射線は,DNAの様々な部位に作用し,酸化的DNA損傷を引き起こす。DNA損傷の多くは,DNA合成の際に正常な塩基対合を妨げることによりDNA複製を強く阻害する。DNA複製の阻害は細胞にとって致死的であるため,これを回避するための細胞応答機構が重要な役割をもつ。損傷乗り越えDNA合成(translesion synthesis, TLS)機構は,損傷特異的なDNAポリメラーゼが,損傷部位でのDNA合成反応を行い,DNA修復機構とともに染色体の恒常性維持に必要不可欠な生物機能である。酵母で同定されたREV遺伝子群はTLSに関与し,放射線による突然変異の誘発に重要な役割を担っている。我々はこれまでに,REV1タンパク質は,umuC/dinB/XPVファミリーの遺伝子がコードするYファミリー損傷乗り越え型DNAポリメラーゼに属し,酸化的DNA損傷のTLSを効率よく行なうことを明らかにした。