一般演題 35 甲状腺細胞と線維芽細胞を用いた混合培養及び単独培養における放射線誘発DNA損傷の検討
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概要
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甲状腺は放射線により上皮細胞由来の癌が高頻度に誘発されることが知られているが,そのメカニズムについては不明な点が多い。従来行われてきた多くの実験では,甲状腺上皮細胞を単独で培養したものが使用されてきた。しかし組織は,上皮細胞や間質細胞など多種類の細胞から形成されており,細胞間で相互に情報交換を行なう。そこで今回,組織により近い条件にするため2つの異なる種類の細胞を混合培養し,放射線損傷による影響を調べた。近年,DNA二重鎖切断を簡易に検出する方法として,リン酸化H2AXの免疫蛍光染色法が用いられる。DNA二重鎖切断が生じると,ATMあるいはDNA-PKのリン酸化がおこり,次いでヒストン蛋白の一種であるH2AXをリン酸化し, MDC1, Nbs1, 53BP1等の蛋白質と複合体を形成する。この複合体は,DNA損傷の修復に深く関わっている。免疫蛍光染色によりリン酸化H2AXはfocusとして観察されるため,今回の実験では放射線障害修復の指標として用いた。
- 長崎大学の論文
著者
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サエンコ ウラジミール
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科原研国際
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中沢 由華
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科原研細胞
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中沢 由華
長崎大学医歯薬学総合研究科原研細胞
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サエンコ ウラジミール
長崎大学医歯薬学総合研究科原研国際
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