さまざまな交通環境における沿道大気中の微小粒子濃度
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概要
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東京都内の交通環境の異なる沿道を,交通センサス(2002年発行)より,交通量,大型車混入率,平均車速を基準に選別し,13箇所で沿道大気中の微小粒子粒径分布を2002年10月に計測した。大型車混入率の高い道路では,18nmにピークを特つ分布が得られたほか,都心の交通量の多い道路ではピークが30nmにシフトした結果が得られた。微小粒子の数濃度と幾何平均粒径と,上記した交通パラメータとで相関を調べたところ,大型車交通量に応じて数濃度が上昇するとともに,幾何平均粒径の低下が見られた。さらに,平均車連増加に伴い数濃度を増やす大型車の多い道路群と数濃度低下を示す群に分かれた結果が得られた。沿道大気中の微小粒子の数濃度分布は, 18.2, 34.1, 65.6, 132nmに中心を特つ4つのガウス分布で近似することができ,これらのガウス分布を用いて,交通環境の異なる沿道での数濃度分布を定量評価することができた。すなわち,大型車混入率の高い道路で見られた18nmのピークと,ディーゼル車から排出されるすすの代表粒径として用いた65.6nmのガウス分布とは,強い正相関を示し,分布の中にすすの寄与が示唆された。都心で見られた30nmのピークを代表する34.1nmのガウス分布は,特定の交通環境で見られ,その際18nmのピークは負相関を示す点が明らかとなった。
- 2007-03-10