在宅ワーク支援政策に関する一考察
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概要
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研究ノート(Note)テレワークの一形態である在宅ワークは、高度情報化社会が生み出した新しいワークスタイルといえる。情報通信機器と情報通信技術を最大限に活用することにより、これまでは大規模組織の中で遂行されてきた企業行動であったが、自宅でもそれが可能となった。在宅ワークは組織に属して働くという今日ではあまりに一般化したワークスタイルとは異なる職業スタイルを描き出している。情報通信機器を活用して在宅で自営的に行われる働き方のうち、請負等によってサービスの提供を行うものが「在宅ワーク」である。在宅ワークは新しい働き方であるだけに、在宅ワーカーに関する統計整備は遅れており、その社会的な位置づけがまだ明確でなく、法的な整理も十分ではない。また、経済の変化に伴い、在宅ワークの職種も広がり、その類型も分化してきている。そうしたなかで、契約条件の不明確さをめぐるトラブルや契約の一方的な打ち切り等、契約面や仕事の確保等についての問題点が指摘されており、新たな働き方としての整備を図っていく必要がある。また、自分のペースで仕事ができる反面、発注先からの要請により長時間労働になってしまうことも多く、健康面での不安もみられる等、課題も多い。本稿では、在宅ワークの概観を整理し、弾力的な働き方としての可能性、従来からの働き方である家内労働とオフィス勤務との比較検討、在宅ワーカーの労働者性と事業者性の整理、政策ニーズと支援政策課題について明らかにしていく。