教育相談担当教師が知っておくべきことについて
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概要
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中学や高校で教育相談を担当する教師は、必ずしも臨床心理学の知識が豊富とは限らないし、臨床経験に乏しいことが多いと思われる。そのような教師が、教育相談を実施するに当たってどのような種類の知識を知っておくべきかを考察した。まずはじめに、通常のカウンセリングと教育相談との違いについて検討した。治療構造の違いなどから、教育相談においては、従来の精神分析やクライエント中心療法や行動療法などはそのまま適用することが難しい。学校現場の現状に即した教育相談の方法論の必要性が指摘された。次に、教育相談で必要とされると思われる背景知識について3つの観点から言及した。a)分子整合精神医学の知識を援用して、栄養状態と心の問題との関連性を指摘した。b)身体心理学や成瀬悟策の動作療法の成果から、心と体との関連性、特に姿勢と心との相互作用に関する基本的な知見を述べた。c)生活習慣の乱れやテレビゲームのし過ぎから来る悪影響についてまとめた。教育相談担当教師は以上のような側面についてまずチェックする心がけを持ちたい。教育相談担当教師が行う比較的安全なカウンセリング法として、石山&吾妻(2004)が提唱する、森田療法の考えを生かしたアクティブカウンセリングの枠組みを紹介した。さらにアクティブカウンセリングの枠組みに、ソリューション・フォーカスト・アプローチ、認知療法、論理情動行動療法などの考えを加味することの可能性についても検討した。
- 2006-03-31