ラット骨髄間質細胞の長期間培養による自発的分化(解剖学)

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骨髄間質細胞(MSCs)が,成長因子添加ないし化学物質処理により,神経様細胞に分化可能なことがよく知られている.本研究では,成体ラット由来の初代MSCsが,長期間培養の後,神経前駆細胞に自発的に分化できることを示した.培養初期では,成体ラット初代MSCsの0.1%以下がネスチン(神経前駆細胞に共通したタンパク)を発現した.これらのMSCsは,神経形態も神経抗原も示さなかった.これに村して,6週間連続して培養したMSCsでは,有意な一群が細胞塊を形成し,ネスチンを発現した(32.3±6.3%).また,これら長期間培養MSCsのうち,0.1%以下の細胞が,未熟な神経細胞のマーカーであるβ_<III>-チューブリンの発現を示した.血清除去および成長因子添加後,これらのネステン陽性細胞は,神経様形態ならびに神経特異的マーカーであるNF-H,β_<III>-チューブリン,タウ,および神経伝達物質GABA陽性を示した.対して,長期間培養を行わなかったMSCsは,血清除去および成長因子刺激後であっても,神経形態も神経マーカーの発現も示さなかった.これらの結果は,神経前駆細胞が長期間培養のMSCsから得ることができることを示し,また,MSCsが神経病治療のための可能性のあるソースとして利用できることを示唆した.
社団法人日本獣医学会の論文
2007-02-25

ラット骨髄間質細胞の長期間培養による自発的分化(解剖学)

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