9.昼間の金星観測から知る太陽系の景観
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概要
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昼間に金星を観測するために,太陽・金星のデータ(赤経・赤緯)に基づき,前もって観測場所での金星南中時刻・南中高度を計算,その時刻にその方向へ望遠鏡を合わせることにより観察する。望遠鏡視野の中にある金星と太陽・地球位置を宇宙空間の中で立体的にとらえ,これらの3天体を俯瞰した視点にたち,それらをひとつの太陽系景観として把握することを試みた。昼間の青空を背景にして金星が視野のなかに光り輝いている姿,特に金星の満ち欠けの状態が見える場合は,満ち欠けの状態に基づいて,太陽・金星・地球が存在する太陽系空間の中にいる人間(観測者)を意識する立場から,空の中にその時の光景を考えることが可能となる。そして太陽系天体としての地球を再認識し,宇宙の中にいる人間という自然観を少しでも実感・深めることが可能と思われる。また自然現象を見ている観測者を,自然の構造の中に含めて(自然と一体となって)理解することにより,人間も自然の一部であるという認識,自然との連帯感が得られることを期待したい。
- 2005-03-31
著者
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