Uncoupling Protein 2の新たな遺伝子多型の検出と肥満との関係について
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概要
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肥満の候補遺伝子であるアンカップリングプロテイン2の第8エクソンの3'末端側の非翻訳領域に存在する遺伝子多型を健康な日本人の成人男性について検討したところ,コーカシア人に報告されている412bpのdeletion型は認めず,457bpのinsertion型が主要な遺伝子型であった.457bpのinsetion型に45bpがさらに挿入された502bpの新しい遺伝子型を見い出した.検索した18例中457/457のホモ接合体が14例,457/502のヘテロ接合体が4例であり,502/502のホモ接合体は観察されなかった.上記の18例について,このアンカップリングプロテイン2の遺伝子多型と体重,体格指数(BMI),上腕三頭筋と側腹部での皮下脂肪の厚さ,安静時代謝率(RMR),脂肪率及び脂肪量との関係を検討した.年齢は27歳から58歳,体重は58.2kgから99.2kgに分布した.Mann-WhitneyのU検定により,457/502型の人は457/457型の人より,体重,上腕三頭筋と側腹部の皮下脂肪の厚さ,脂肪率及び脂肪量が有意に高く,502bpの新規遺伝子型は肥満に関与する可能性が示唆された.
著者
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棟方 栄治
国立大学法人弘前大学医学部医学科生化学第二講座
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土田 成紀
国立大学法人弘前大学医学部医学科生化学第二講座
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棟方 栄治
国立大学法人弘前大学医学部医学科生化学第二講座:青森県警察本部科学捜査研究所