常用量のグルタチオンによるステロイド性骨壊死の抑制効果の検討
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概要
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[目的]:ステロイド性大腿骨頭壊死症の予防法の確立を目的として抗酸化剤である還元型グルタチオン(以下GSH)をステロイド性骨壊死モデルに投与し、骨壊死発生抑制効果を検討した。[対象と方法]:雌性日本白色家兎の殿筋内に4mg/kgの酢酸メチルプレドニゾロン(以下MPSL)を投与した群(S4群)、MPSL4mg/kg投与同日よりGSHの常用量に相当する5mg/kgを5日間連続投与した群(G4群)、またMPSL20mg/kgを殿筋内に1回のみ筋注した群(S20群)、MPSL20mg/kg投与同日よりGSH5mg/kgを5日間連続投与した群(G20群)、及び対照群として未処置の家兎群(N群)を作製した。各群の家兎はMPSL投与14日経過時に犠牲死とした。検討項目はH-E染色標本による病理組織学的検討及びLOX-1を用いた免疫組織学的検討とした。[結果]:MPSL単独群の骨壊死発生率はS4群で70%、S20群で90%であった。これに対しGSHを併用したG4群では骨壊死発生率が0%、またG20群30%であり常用量のGSHにより骨壊死発生が有意に抑制されていた(P<0.05)。またLOX-1の染色性はG4群及びG20群で明らかに低下していた。[結論]:常用量のGSHを投与することで骨壊死の発生及び酸化ストレスの発生が抑制されていたことから、臨床応用が期待できる薬剤であると考えられた。
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