Q-スイッチNd:YAGレーザー光照射による骨癒合促進効果
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概要
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【目的】本研究の目的はラット大腿骨骨折にQ-スイッチNd:YAGレーザー光を照射することにより,骨癒合が促進されるかどうかを明らかにすることである。【対象と方法】10週齢の雌性SDラットを用いて大腿骨骨折モデルを作製した。実験は骨折部にレーザー光を照射したLaser群とレーザー光を照射しなかったControl群の2群に分類した。照射は術後翌日より開始し,1日10分間,2日おきに行った。仮骨形成,骨癒合の評価,硬性仮骨面積の測定は術後1週,2週,3週,4週の単純X線像を用いて行った。X線撮影後大腿骨を摘出し,骨折部のDEXA法による骨密度の測定と組織学的検索を行った。【結果】Laser群では術後1週で仮骨を認め,4週で骨癒合が完成した。Control群では術後2週で仮骨が出現し,その後仮骨が増大するも4週で骨癒合は認めなかった。硬性仮骨面積はLaser群がControl群より術後2週で27.0%,3週で60.6%増加していた(p<0.05)。Laser群の骨密度は全ての週でControl群より増加していた。組織学的検索ではLaser群はControl群より成熟軟骨細胞の増加や軟骨組織の新生骨梁組織への置換が早期に認められた。【結論】骨折部にレーザー光を照射することで骨癒合が促進された。軟骨細胞の活性化や新生骨梁組織への置換が早期に認められたことから,内軟骨性骨化が促進されたことが推察された。
著者
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