子宮ガン : 最近の知見より
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概要
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子宮ガンにおける最近の注目すべき知見は,子宮頸ガンにおいては,その発症にヒトパピローマウイルス(以下HPV)が重要な役割を演じている可能性が高いことが明らかにされたことであり,一方子宮体ガンにおいては,本邦の罹患数が急激に増加していることである。最近の研究により,HPVの発ガンメカニズムへの関与が解明されつつあり,ワクチン等治療への応用が期待される。子宮体ガンの増加は,分娩回数の減少をはじめとする,日本女性のライフスタイルの急激な変化が原因である可能性が高く,その結果,子宮頸ガンと体ガンの比率は,今や5:4と拮抗してきている。治療においては,子宮頸ガンでは,進行ガンに対して,術前化学療法や放射線-化学療法同時併用療法などが導入され,良好な成績を収めつつある。子宮体ガンにおいては,術後化学療法の併用が普及してきており,その結果長期の治療を強いられる患者が増えてきているのが現状である。
- 2006-12-17