中学生の夢想起頻度に影響を及ぼす要因の研究 : テスト不安と性差の関係について
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概要
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本研究では公立中学校の生徒1〜3年生250名〔男子:125名,女子125名,平均年齢:13.46歳(男子:13.50歳,女子:13.42歳)〕を対象に夢とテスト不安の質問紙を用いてテスト不安および性差が夢想起頻度に及ぼす影響,さらに夢内容について検討した。試験直前(2003年6月)と平常時(2003年7月)の2時点において夢を想起するように求めたところ,期末試験をストレスと認知した生徒は,平常時よりも試験直前においてより多くの夢を想起した。性差については,試験時・平常時において性別により夢想起頻度に差が生じ,男子に比べ女子の方が有意に高い得点を示した。これらの結果は,テスト不安やストレスイベント(ストレッサー)が高いと夢想起頻度も関連して高くなるということ,また男子に比べ女子の方が夢を多く想起する傾向にあることを示していた。また,本研究で夢想起頻度に影響する要因はテスト不安やストレスイベントだけでなく,性差,自己開示度,記憶をはじめさまざまな要因が複雑に関連している可能性が示された。夢内容については期末試験というストレス条件により,明晰度・色彩などが強調される可能性があった。今後は夢に対する態度を含め,心理学的側面からだけではなく,生理学をはじめとした多面的な検討を行うことが望ましいと考えられる。
- 2006-10-10
著者
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