全身性エリテマトーデスの皮膚血管炎に関する臨床免疫学的研究
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概要
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臨床的および組織学的検索を行なった,活動性皮疹を伴う全身性エリテマトーデス57例のうち,組織学的に血管炎が認められたものは18例あった。血管炎が認められた部位の皮膚病型としては紅斑丘疹が最も多く7例あり,蝶形紅斑が次いで多かった。血管炎群では,83%に血中免疫複合体が検出された。低補体血症,抗Sm抗体も,血管炎を伴わない群に比し,有意に多く認められた。皮疹部生検標本の螢光抗体直接法にて,真皮血管壁への免疫グロブリン,補体の沈着は血管炎群においては18例中15例にみられた。以上より,全身性エリテマトーデスの皮膚血管炎の発症に免疫複合体が関与することが強く示唆された。また,腎生検にて,血管炎群の多くはごく軽症の腎病変が認められたのみであった。
- 千葉大学の論文
- 1991-10-01