小児における尿中成長ホルモンの臨床的研究
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概要
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Enzyme immunoassay (EIA)法を用いて尿中成長ホルモン(GH)濃度を測定し,成長障害の診療における臨床応用を試みた。早朝尿中GH濃度と一日蓄尿尿中GH濃度は良好な正相関を示したので,以下の検討を採取が容易な早朝尿中GH濃度で行った。3歳から15歳の身長が平均±1SD以内の健常児の早朝尿中GH濃度は,幼児で高く,前成長期にやや低く,成長期に高く,女児では14歳以後低いという正常の成長パターンと一敦した変化を示した。低身長児において,薬理的刺激試験に対するGHの反応,生理的GH分泌と早朝尿中GH濃度の間には有意の正の相関が存在した。低身長の原因疾患別に早朝尿中GH濃度を比較すると,完全GH欠損症では健常児,体質性遅延に比べ,有意に低値であった。これらより,早朝尿中GH濃度は健常児の成長と関連があり,GH分泌能を反映していると考えられた。したがって,下垂体性小人症のスクリーニング,特に血漿ソマトメジンC値の有用性の乏しい低年齢層患児の早期発見に有用であると考えられた。
- 千葉大学の論文
- 1991-08-01
著者
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