急速凍結置換法によるニワトリ胚心筋の細胞間接着装置の観察
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概要
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ニワトリ胚の心筋を急速凍結し,細胞間接着装置の微細構造を透過電子顕微鏡で観察した。発生初期には,fascia adherensとdesmosomeは心筋細胞の側面にほぼ一直線上に隣接して形成されたが,その後位置的な変換が起こりintercalated discが形成された。Fascia adherensの細胞膜の内側にはフィラメントの網目がありそこに筋原線維が終わっていた。またその細胞間隙には架橋構造がみえた。Desmosomeの部分では,細胞間隙にはcentral laminaとtraversing filamentがみえた。細胞膜のouter leafletの厚さはinner leafletに比べ薄かった。細胞膜の内側には,電子密度の低い層,ついで電子密度の高いdesmosomal plaqueがあり,このplaqueは内側に向かって多くの膨隆をもっていた。さらにこの内側には細い線維の網目の層があり,その内側に中間径フィラメントの束が収斂していた。本法により胚心筋細胞間の接着構造を明瞭に観察することができた。
- 1991-04-01