オルニチントランスカルバミラーゼ欠乏症の分子的基礎 : 自験ヒト欠乏症例と変異マウスを含めた考察
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概要
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7歳時に生検肝を用いてオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠乏症と診断した1女児例を分子レベルまで解析し,以下の結果を得た。(1)OTC活性は対照の20%以下であった。(2)至適pHは対照と同じだった。(3)カルバミルリン酸に対するKmが上昇していた。(4)OTCタンパク質は対照と同等量存在していた。(5)メッセンジャーRNA(mRNA)活性も対照と同等またはそれ以上に存在していた。以上より,本症例においてはOTC構造遺伝子のカルバミルリン酸結合に関連する部位をコードする部分の変異が原因で活性の低下したOTCタンパク質ができているものと推定された。自験OTC欠乏症7例に本症例を加えてOTC欠乏症の成因を考察すると,本酵素欠乏症の遺伝子レベルでの多様性が一層明らかとなった。さらにこれらの症例を2種のOTC欠乏症マウスと比較した結果,両マウスともヒト欠乏症のモデルとして有用と思われた。
- 千葉大学の論文
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