糖質コルチコイド過剰投与時にラット腎皮質可溶性画分に出現するカリクレイン抑制物質について
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概要
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過剰のデキサメサゾン(DEX)を慢性投与した両側副腎摘出ラットの腎皮質可溶性画分にはラット尿カリクレイン(RUK)活性に対する抑制活性が認められた。その活性は用量依存的であり,ゲルろ過により推定された分子量は約8.2万であった。また,ラット腎皮質可溶性画分には,EDTA, o-phenanthrolineおよびcaptoprilによって抑制されない分子量約5.7万のキニン分解活性も認められ,その後者の活性はDEX投与群と,vehicle投与対照群との間に差は認められなかった。トリプシン及びlimabean trypsin inhibitor (LBTI)と反応させることにより,キニン分解活性は消失したが,RUK活性抑制活性は消失しなかった。尿カリクレインは腎カリクレインと同一物質であることより,糖質コルチコイドは,腎の尿細管細胞膜のカリクレインをこの糖質コルチコイド依存性RUK抑制物質を介して抑制的に調節している可能性が一つに推定された。この物質は糖質コルチコイドの腎カリクレインーキニン系への効果の機序を検討するうえで重要であると思われた。
- 千葉大学の論文
- 1987-08-01
著者
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