移動睾丸の組織学的研究
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概要
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移動睾丸における睾丸障害の有無について知るために,片側移動睾丸19例,片側移動睾丸,対側ソケイ部停留睾丸4例,両側移動睾丸7例,計30例の睾丸について組織学的に検討し次の結果を得た。1.うずくまり姿勢時における移動睾丸は陰のう内の位置より,上部,中部,下部に分けると,陰のう下部のものは必ずしも全例ではないが,上部および中部のものでは全例において,対側正常位睾丸に比して,その睾丸容積は小さく,精細管内径は短かく,精祖細胞数はすくなかった。2.片側移動睾丸,対側ソケイ部停留睾丸の場合,移動睾丸の容積,精細管内径,精祖細胞数は停留睾丸に比してまさる傾向を示した。3.両側移動睾丸例では,うずくまり姿勢時における陰のう内睾丸位置のちがいによる睾丸発育の明らかな差はみられなかった。以上より,移動睾丸は正常位睾丸に比して,その発育が障害されている。これより,移動睾丸,とくに陰のう下部まで下がり得ないものに対しては睾丸固定術の適応がある。
- 千葉大学の論文
- 1986-12-01
著者
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