本態性高血圧症の血圧日内変動に対する自律神経系の関与
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概要
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中壮年本態性高血圧症53例(36〜65歳)に非観血的自動血圧計を用い,血圧日内変動を測定し,平均値と標準編差値を求めた。標準編差値10mmHg以上を変動の大きいA群(27名),10mmHg未満を小さいB群(26名)として分類し,両群の安静時心拍出量,全末梢抵抗,脈管容積弾性率,血漿レニン活性,血漿カテコールアミンの測定を行なった。さらに運動負荷試験(臥位自転車型エルゴメーター,1.25w/kg,6分間),ノルアドレナリン負荷試験(0.1μg/kg/min,3分間),イソプロテレノール負荷試験(0.02μg/kg/min,5分間),70° head-up tilt試験を行ない,両群の血行動態的反応性を比較した。また,ノルアドレナリン漸増法により両群の調圧反射機能についても比較検討した。その結果(1)両群の安静時血行動態諸量,血漿レニン活性,血漿ノルアドレナリンには,有意の差がなかった。(2)運動負荷試験に対し,A群はB群に比し,特に収縮期血圧の上昇度が有意に大きかった。(3)イソプロテレノール負荷試験に対する心拍数の反応性は,両群で明らかな差がなかった。(4)ノルアドレナリン負荷試験に対し,A群はB群に比し血圧の上昇度が大きかった。(5)70°head-up tilt試験に対し,A群はB群に比し収縮期圧の下降が大きく,拡張期圧の上昇が小さく,心拍数の増加度は少なかった。(6)圧受容体勾配は,A群はB群より有意に小さく調圧反射機能の低下が示唆された。以上より,血圧日内変動には,調圧反射機能をふくむ自律神経系の関与が大きいことが明らかになった。
- 千葉大学の論文
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