塩化カドミウム経口投与のマウス胎仔におよぼす主に催奇形性影響について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
妊娠マウスに経口的に塩化カドミウム(Cd)を投与し,催奇形性的観点から,その母胎各臓器へのCdの集積量,胎仔への致死・中毒効果ならびに奇形発生を検索した。1日量16mg/kg(A群),11mg/kg(B群),ならびに6mg/kg(C群)のCdを妊娠7-15日のマウス1(ICR系)に連続強制経口投与の後,妊娠16日目に屠殺,資料を採取し,これによりCdの投与量差の影響を検討:さらに投与時期差による影響を見るため,1日量11mg/kgを妊娠7-15日間の前(7-9日),中(10-12日),後(13-15日)期の3群に各3日間投与し,同様に資料を採取検索した。その結果,母獣の体重増加は投与量が多い程抑制され,また初期投与(7-9日)に強く現れたが,一般に各臓器へのCd集積は著しく低値であった。死亡胎仔の性状から検討すると,胎仔への影響は致死性と中毒性が半ばした。奇形発生として口蓋裂が経口投与としては比較的多く発生した。その発現はA群4.90%,B群10.91%,C群1.83%,7-9日群7.50%,10-12日群12.93%,13-15日群0%であった。しかし他種の奇形は全く観察されなかった。以上から,経口投与によるCdは比較的緩やかに,低濃度,長時間胎仔へ移行すること,しかし器官形成後期(13-15日)には移行しないこと,口蓋裂の発現の様相には発生段階特異性があり,それは妊娠11日目,すなわち外側口蓋突起形成期に相当することが推定された。また,dose response relationshipについてはさらに検討を要すると考えられた。
- 千葉大学の論文
- 1985-10-01
著者
関連論文
- Wiedemann-Beckwith症候群 : その巨舌症が顎咬合系に及ぼす影響と処置について
- 口腔内に発現した巨大なPyogenic Granulomaの1例
- 口腔小唾液腺由来のまれな乳頭状嚢腺腫の1例
- 凍結乾燥法を利用したヒドロキシアパタイト粉末の調製
- 塩化カドミウム経口投与のマウス胎仔におよぼす主に催奇形性影響について
- 顎骨領域における骨原性腫瘍 : II. 本邦における顎顔面領域の軟骨肉腫の統計的観察
- A case of multiple supernumerary teeth developed from the third dental laminas.
- タイトル無し