胎盤機能検査法としてのplacentel leucine aminopeptidaseの研究ならびにplacental leucine aminopeptidaseとcystine aminopeptidaseの相関性について
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概要
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胎盤機能検査としてplacental leucine aminopeptidase(p-LAP)とcystine aminopeptidase(CAP)の基礎的,臨床的検討を行い,以下の結論を得た。1.p-LAPは,methionine阻害を受けないが,熱処理によって活性を失う。2.正常妊娠経過に伴い,p-LAP活性値は増加する。同一正常妊娠の連続測定値の統計的処理により妊娠8カ月以降の予想増加曲線を設定した。3.妊娠週数別胎盤の蛋白量あたりのp-LAP値は一定である。羊膜,臍帯での活性は低い。4.異常妊娠例連続測定では,light-for-date(L.F.D.)3例,妊娠中毒症4例では下降傾向を示した。羊水過多症においては,上昇傾向,下降傾向を示すものが共にみられた。双胎例では,高値上昇傾向を認めた。胎盤早期剥離例において,高値上昇傾向を認めながら児死亡を起こした例が認められた。5.p-LAP及びCAP活性値間の相関性は,正常妊婦,異常妊娠例において共に高い相関性が認められた。6.p-LAP,CAPと児体重,胎盤重量との間に相関性は認められなかった。以上,妊娠血清中のp-LAP活性値測定は,徐々に発生する胎盤機能不全の早期発見に有用である。又,p-LAPとCAPは同様の代謝機能をあらわしているものと考えられる。
- 1985-08-01
著者
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