頸部脊髄腫瘍に対するComputed Tomography(CT)の臨床的意義
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概要
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頸部および胸部脊髄腫瘍の患者にMyelographyを含む従来のX線撮影と併せてComputed Tomography(CT)検査を行い,CTの優れた診断力を確認した。CTはGE・CT/T型または東芝TCT60A型を用いて,何ら造影剤を用いない単純CT(PCX),くも膜下腔にMetrizamideを注入したCT-myelography(CTM)とこれに血管内造影を併用したCT(CTM-CE)を行った。症例は神経鞘腫6例,転移性腫瘍2例と紡錘細胞肉腫,脊索腫,神経芽細胞腫,glioma各1例の12例で,すべて手術例である。PCTは脊椎と周囲軟部組織を同時に判別でき,軽微な骨および軟部組織の異常も診断可能であった。CTMは脊髄くも膜下腔を造影して,脊髄,脊髄神経,腫瘍等が描出され,腫瘍の硬膜内・外の部位診断に有用であった。腫瘍が巨大であったり,腫瘍と脊髄が癒着しているとその相互の判別はCTMでも困難であったが,CTM-CEを行い,CTMと対比して術前に腫瘍,脊髄との境界を判別することができた。これはCTM-CEにより腫瘍部分のCT係数の上昇が脊髄または腫瘍の種類により差異がある為に起因する事が確認された。また腫瘍が脊椎管内に充満している時はCTM,CTM-CEと併せて1.5mmスライススキャンが特に有用であった。
- 千葉大学の論文
- 1984-04-01
著者
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