N=Z核におけるアイソスカラーおよびアイソベクター相関
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概要
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中重原子核(N>Z)におけるJ=0対相関(アイソベクター相関)の大きさは,奇偶質量差の実験値から,おおよそ近似的にΔ=12/√<A>MeVによって表されることは古くから知られているが,N=Z核では,その大きさと系統的な振る舞いは大きく異なっている。N=Z偶-偶核では平均的な値Δ=12/√<A>MeVの倍近い値を示す一方で,N=Z奇-奇核では反対に著しく小さい値を示す。本論文では,これらの特異な振る舞いについて,質量公式(または液滴模型)および微視的殻模型の2つの観点から分析を行なった。この結果,質量公式ではいわゆるWigner energyが,また殻模型ではアイソスカラー相関がN=Z核における特異な振る舞いに対して重要な役割を演じていることが明らかになった。
- 九州産業大学の論文
- 2003-11-28