キャリア教育としてのビジネス・インターンシップ
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概要
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1997年、現文部科学省、現経済産業省、現厚生労働省の提唱、推進によって、高等教育機関でのインターンシップは急速に進展することとなった。文部科学省の調査によれば「インターンシップを正規科目と位置づけて実施する大学・短大」の数は、2003年度以降、大学376校(全体の55%)、短大153校(同31.2%)に達すると見られている。インターンシップは「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」(文部省、1997年)と幅広く定義され、体験する学生、教育機関そして受け入れ企業・団体の三者にとって様々な意義が認められている。特に学生においては、職業意識の育成、学生から社会人への移行過程の円滑化とともに、勉学への意欲・動機づけの向上など多くのメリットが期待され、本学国際教養学科においても、2004年度から「ビジネス・インターンシップ」(2単位)を開講し、3年次生を対象にインターンシップを実施するに至った。本稿では、本学のビジネス・インターンシッププログラムを分析・検証し、課題を明らかにしたうえで、キャリア教育としてのインターンシップの今後の在り方について検討を試みた。その結果、これまで実施した2回のインターンシップを見る限り、インターンシップに対する履修学生の満足度、学習効果は平均して高く、本学のインターンシップの目的はほぼ達成されていることがうかがえた。しかし同時に、次のような実施上の課題や改善点が確認された。すなわち、ビジネスおよびキャリア教育関連科目とインターンシップとの連携の強化、履修学生数の拡大およびそのための低学年時からの指導体制、実習期間の延長、就職課等事務部門との連携、履修学生による実習プログラムの開発・作成などである。このような体系的かつ継続的なキャリア教育は、今日の厳しい社会・経済情勢の中で、今や大学が保証すべき「教育の質」の重要な柱の一つとなっている。
- 仙台白百合女子大学の論文
- 2006-01-31
著者
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