^<31>P-Magnetic Resonance Spectroscopyによる肥大型心筋症の高エネルギー燐酸化合物代謝と左室心筋性状および機能との関係
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概要
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肥大型心筋症(HCM)における心形態,壁運動性からみた心筋収縮能の評価,T_2緩和時間からみた組織性状の検討,心筋高エネルギー燐酸化合物代謝異常の評価を行うと共にそれぞれの関係を調べる目的で,HCM 12例を対象としてMRIと^<31>P-MRSとを施行した。心電図同期スピンエコー法MRI上の収縮末期・拡張末期左室横断像から拡張期左室中隔厚,左室中隔厚増加率,拡張末期容積,収縮末期容積,一回心拍出量,左室駆出分画,fractional shortening値を求めた。また, T_2計算画像よりT_2値を計測した。^<31>P-MRSは領域選択法(ISIS)を用い,得られたスペクトルのピーク高計測値よりPCr/γ-ATPを計算した。結果として,健常者およびHCMのPCr/γ-ATPは,それぞれ,2.17±0.26, 1.63±0.19とHCMにおいて有意に低値を示した。健常者およびHCMのT_2値は,それぞれ,48.3±0.9msec, 50.3±2.8msecとHCMにおいて有意に高値を示した。また,収縮末期容積,左室駆出分画,左室中隔厚,左室中隔厚増加率,posteroseptal, anteroseptal, anterolateral, posterolateral領域のfractional shorteningに有意差を認めた。HCMでの検討としては,PCr/γ-ATPとT_2値,左室駆出分画,anteroseptal・anterolateral領域のfractional shorteningとの間に有意な逆相関が認められた。以上より,高エネルギー燐酸化合物代謝異常と,心筋性状,左室駆出分画,fractional shorteningとの間には関連性があり,磁気共鳴検査はHCMの臨床的研究に有用であると考えられた。
- 千葉大学の論文
- 1993-06-01
著者
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