海外から輸入される真菌症 : コクシジオイデス症
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概要
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コクシジオイデス症は南北アメリカ大陸の半乾燥地帯に棲息するCoccidioides immitisの感染による風土病で,本菌の分節型分生子を吸入することにより発病する。通常かぜに似た症状を呈した後自然治癒するが,患者の約0.5%において全身感染へと移行し,そのうち約半数が死に至る。病理組織学的特徴としては,激しい限局した化膿性炎症像は球状体の壁が破れ,内生胞子が組織内に放出された時に起こり,これら内生胞子が発育するに従って病巣は肉芽腫性病巣へと変っていく。C. immitisの有性世代は不明であるが本菌は子嚢菌類に属する可能性が高い。C. immitisは通常の培地上では菌糸形の発育をし,生体内および特殊な培養法で培養すると内生胞子で充満された球状体を形成する。集落の発育は速く27℃より37℃の方が発育は良い。C. immitisは真菌の中で最も危険性が高く,その取り扱いには厳重な注意が要求される。
- 1992-12-01
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