9 最新型ガスタービンLMS100^<TM>の開発(ガスタービンの最新開発動向,ガスタービンの最新開発動向と将来展望)
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概要
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LMS100システムは、発電用ガスタービンにおいて外部熱交換器によるエンジン外のインタークーラを適用した、初めての現代的ガスタービンである。ゼネラルエレクトリック社(以下GE)が、多様な事業環境に対応して経済的な電力供給ができる柔軟な発電設備との市場ニーズに対応して開発したものである。LMS100システムは、ガス焚き発電におけるフレーム型と航空機転用型のガスタービン技術を融合させたものである。この組み合わせは、保守性に影響を与えることなく高頻度起動停止を可能にし、シンプルサイクルにおける高効率、高速起動、高信頼性・高稼動率を低建設コストで実現するものである。このシステムの特徴は、これまで、ガスならびに空気圧縮機において広範に使用されてきた技術を利用して、ガスタービンの圧縮部にインタークーリングを適用したことにある。これまで大型の発電用設備として商用化されたことはなかったが、この技術のガスタービンへの適用は、GEおよび他社において長年にわたって検討が行われてきた。この5年間、GEは40-50MW級の航空機転用型ガスタービンとして好評を博しているLM6000ガスタービンの低圧および高圧圧縮機間で蒸発冷却を行う、特許技術のSPRINTスプレー・インタークーリングを成功裏に提供してきた。さらにGE90ガスタービンのような、GEが開発した高圧縮比の航空機エンジンは、インタークーリングを生産化する上で必要な技術を提供した。LMS100ガスタービン・インタークーリング技術は、100MW超える出力と46%以上のシンプルサイクル効率を達成する。これは、今日もっともシンプルサイクル効率の高いGE製ガスタービンであるLM6000に対し10%の向上を意味する。
- 社団法人日本ガスタービン学会の論文
- 2005-01-24