尾道市における乳幼児のう蝕有病状況に影響を与える生活・環境要因について
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概要
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本研究の目的は尾道市における1歳6か月時および3歳時のう蝕有病状況に影響する要因を明らかにし,地域で実践できる効果的なう蝕予防対策を構築していくことであった.1歳6か月児健診時と3歳児健診時に,生活習慣,育児環境などの質問票調査と歯科健診を行い,両者の関係についてロジスティック回帰分析などを使用して分析を行った.その結果,1歳6か月時までのう蝕発症に対し強く関連する要因は「就寝時授乳」「母乳育児」「甘味食品摂取開始時期」などであった.また,1歳6か月時から3歳時までのう蝕発症に対しては,「スポーツ飲料の摂取頻度」「就寝時授乳」および「ジュースの摂取頻度」の関連が強いことが示された.「間食回数」「間食の規則性」「ジュースの摂取頻度」「スポーツ飲料の摂取頻度」「就寝前の飲食」「食事中のテレビ視聴」「仕上げ磨きの頻度」などの生活習慣は,1歳6か月時点で身に付いたものが3歳時まで継続することが示された.「間食の規則性」「仕上げ磨きの頻度」は1歳6か月時から3歳時までの間に,良い生活習慣に変化しやすい項目であり,「ジュースの1日摂取量」「スポーツ飲料の摂取頻度」は摂取量や頻度が増加する項目でもあった.乳幼児に対する歯科保健指導においては,年齢に応じて重点的に指導すべき項目を考慮することが必要であることが示された.
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 2006-10-30
著者
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