対人関係性の視点による生き方態度の発達的研究
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概要
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本研究の目的は,対人関係性の視点から人々の生き方態度の発達変化を検討することにある。調査対象者は男女1695名(年齢は18歳から88歳)である。結果は次の通りである。(1)閉鎖性・防衛性や,他者依拠的,自己優先的姿勢は加齢に伴い弱まっていく傾向にあった。逆に,ありのままの自己を生きる姿勢や他者を受容しようとする姿勢は加齢に伴って強くなっていくことが示された。他者受容は女性の方が男性よりも強い傾向にあった。(2)閉鎖性・防衛性の強い人は,自己を受容する度合いが低く,自尊感情や自己の存在価値意識も余り持つことができていず,さらに人生に目標や意味を見出している度合いも低いことが示された。(3)他者を受容する姿勢を持っている人は,意味志向的態度で生き,常に何かの課題に取り組む姿勢を持ち,自己の存在価値意識をも持つことができていた。また人生に目標や意味を見出している度合いも強いことが示された。(4)ありのままの自己を生きる姿勢を持っている人は,人生を主体的に生きることができており,そのような生き方態度は中年期以降の女性においで著しく強まっていくことが示された。(5)社会的活動等に積極的に関わっている人は,閉鎖的・防衛的でも他者依拠的でもなく,自己優先の姿勢も弱く,逆にありのままの自己を生きる姿勢や他者を受容する姿勢を強く持っていることが示された。
- 1999-09-30
著者
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