排水網のフラクタル次元と流域地形との間のいくつかの関係

概要

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地形特性の異なるイタリアのいくつかの流域を対象として,排水綱のフラクタル特性を検討した.本研究の目的はこのような排水綱の「フラクタル次元」を計測し,それらの地形的意義を定量的に評価することである.4つの方法が11個の排水網に適用され,それらのフラクタル次元(D_f)が計測された.得られたデータは,排水網のパターンとフラクタル次元の値との間の関係が単純なものではないことを示唆している.しかし,フラクタル次元であるパラメーターD_fによって排水網の図形や,その形成と発達過程におけるテクトニックな状況についての有用な定量的情報を表現することが可能である.このことを基礎にすえれば,広い排水網の複雑で変化に富んだ図形の間に存在する差異を定量的な示数で置き換えることができる.本研究の結果は,言うまでもなく準備的なものであり,更なる証明が必要ではあるが,奨励的であり,排水網の図形と流域の発達程度に対してパラメトリックな形での情報を提供する可能性があることを明確に示している.
日本地形学連合の論文
2007-01-25