老人の在り様が響きあう世界 : "ナンセンスの意味"に触れることをめぐる試論
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概要
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皮膚がそれ自身に接するところ、折り畳まれるところに「魂」があるというのは、たしかにとても魅力的な思考だ。「心」を見えない内面としてとらえたり、その奥底について考え及んだりするより、それを表面の効果として語ることで、「心」は見えるものになる。ひとの顔やふるまいや佇まいを眼にすることで、そのひとが浸されている哀しみを知るのだから。そしてこの合わさわた皮膚のあいだ、折り畳まれた皮膚のあいだから、音が響いてくる。あたりまえのことだが、人間とは音を立てる存在なのだ。(鷲田清一,2003)
- 2006-03-31