半波制御全波出力及び交流出力磁気増巾器〔英文〕
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概要
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電気的自動制御装置における磁気増巾器の実用化が進むにつれて,多段磁気増巾器として使用する場合も多くなった。多段磁気増巾器において全波若しくは交流の出力を得るには,初段,中間段,出力段各段共に鉄心を2個づつ用いて増巾を重ねる方法が,従来行われて来たが,初段,中間段においては,各段1個の鉄心を用いて半波増巾を重ね,出力段に至って全波若しくは交流に変換して出力を得るならば,種々の利点がある。即ち,各段毎に2個づつ特性の合った鉄心をえらび出して使用するという煩雑さもなく,回路構成も簡単になり,更に段間結合の容易なこと,過渡応答時間の縮少,初段及び中間段の消費電力の節減等を実現し得る許りでなく,特性も優れたものが得られる。 本稿はこの種の変換型磁気増巾器回路を考案し,その動作原理と共に,実験結果を示したものである。変換動作は,出力段主鉄心のゲートの際の磁束変化によって生ずる誘起電圧により,トランシスタを駆動し,これにより出力段従鉄心のリセット電流の点孤角を制御し,従鉄心にも主鉄心と同等のリセットを行わせて,全波若しくは交流の出力を得るものである。実験はブリッジ型全波出力及びダブラー型交流出力の双方の場合につき,種々の特性を測定し,又主,従両鉄心の磁束変化及び各部電流波形の制御経過中の変化を,特性曲線と対比しつつ,写真によって示し,又,従来の自己饋還型磁気増巾器との特性比較も行ってある。更に,出力電流及び各段制御電流を電磁オシログラフによって撮影し,過渡特性の吟味をも行った。
- 山形大学の論文
- 1960-03-30