英語における未来表現の効果的な教授法の試み : 第2部:単純未来表現においての客観的用法と修辞的用法の対比 : 第1章:序説、および不可避的結果の予報の考察
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概要
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第1部によって紹介された理論的体系の要点を再紹介しての後、まず、英語の場合は、真の意味での「未来表現」が実在するのか、それとも、未来についての明白な含意を有しながら、根本的に発語現時点(現在)にかかわる表現しかないのかという疑問点を新たな観点から考慮し、後者の見解の正当性を短く論証する。次に、未来表現がこのように根本的に現時点にかかわる表現であるところに、「未来表現」の2通りの応用方法を可能性にする-因を見出す。2通りとは、(a)客観的・論理的かつ正確な応用方法(b)非論理的かつ不正確でありながら、明示される意味内容以上の旨を伝達する応用方法。応用用法(b)は、ここでいう「修辞的用法」になる。アイロニーならびに隠喩という、修辞においての代表的手段が獲得する、受語者側での心理的反応を考察してから、「柔軟性のない未来予定の報告表現」の「不正な応用」の代表的な一例を紹介し、その修辞的、ならびに結果としての心理的効果を論考する。(予定されている後の数章によってさらに展開される)本論に入り、特に「<後>(のち)という時間の区分に起こる不可避的結果の予報表現」と「抑制不可能な衝動の不可避的な結果の予報表現」それぞれの客観的応用と修辞的応用の比較・対比論を進め、/will//shall/という助動詞使用での、真の意味での「意思未来表現」が英語の未来表現体系に欠如しているという筆者の見識が基づく論拠を挙げる。(ページ数制限のため、不可避的結果の予報表現(残り2種類)、計画の宣言表現(1種類)、予定の報告表現(4種類)、それぞれについての考察は、続編の章に委ねざるを得ない。)