菌類のレクチン : その分布,構造,機能および新しい分類基準の提案
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概要
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菌類が生産する赤血球凝集素(レクチン)に関し,その分布,構造および機能についてまとめ,それに基づいた菌類レクチンの新しい分類基準を提案した.分布については,菌類界の10の門の内,5門に属する生物についてレクチンに関する報告があった.最も多く報告されているのは担子菌門の生物であった.最近の遺伝子クローニングの進歩により,菌類のレクチンにも全アミノ酸配列の判明したものが多くなり,その情報に基づいてレクチンを8つのファミリーと6つのファミリー候補群に分類する事ができた.レクチンを生産している生物にとって,レクチンがもつ生理的役割は未だ解明は不十分であるが,筆者はこれを大きく2つに分け,自己に作用する内務型レクチンと非自己に作用する外務型レクチンに分類する事を提案し,自然界におけるそのような事例について解説し,応用の可能性について論じた.
- 2006-03-31