育児適応に影響を与える要因の検討
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概要
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本研究は,育児適応に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とした。乳児健診(1ヵ月,3〜4ヵ月,9〜10ヵ月)に来院した第1子をもつ母親320名を対象に自己記入式質問紙を配布し,有効回答を得た315を解析した。質問紙は,「育児適応」を把握をするものであり,産褥育児生活肯定感尺度を使用した。構成要素として「育児行動に関する苦痛」「母乳栄養確立」「子どもの気質認知」「情緒的支援ネットワーク」「自尊感情」と「属性」を設定した。「育児適応」を従属変数とし,属性以外の5変数を独立変数として重回帰分析を行った。結果は,調整済みR^2=0.47 (p<0.01)であり,5要因すべて関連が認められた。また,パス解析の結果,「育児適応」には「育児行動に関する苦痛」「自尊感情」が強く関連し,この2要因に「子どもの気質認知」「情緒的支援ネットワーク」「母乳栄養確立」が関連している3段階の構造を示すことが明らかになった。属性においては,子どもの月齢と関連がみられた。本研究の結果より,「育児適応」を高めるためには,母親の苦痛を最小限にし,自尊感情を高める支援が重要であることが示唆された。
- 日本母性衛生学会の論文
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