韓国における人口学的地域特性と高齢者福祉サービス供給量の関係
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概要
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本研究は,今後の韓国の高齢者福祉サービスに関する基盤整備の手掛かりを得ることをねらいに,韓国の最近の統計資料を基礎に,人口学的な地域特性と高齢者福祉サービスの供給量の関係を明らかにすることを目的とした。地域類型化は韓国234基礎自治体を対象とした。地域は,人口,高齢化率,世帯当たり人口を用い,クラスター分析で分類した。人口学的な地域特性と高齢者福祉サービス(高齢者生活福祉施設,ホームヘルプサービス,デイサービス,実費デイサービス,ショートスティサービス)の関連性は,t-test,一元配置分散分析,多重比較,ノンパラメトリック法,Mann-Whitney's U-test, Kruskal-Wallis testで解析した。統計解析の結果,前記3指標を基礎とする韓国の地域は「中規模都市・農村地域」(「過疎地・農村地域」と「中規模都市」を含む)と「大都市地域」(「大都市」と「巨大首都圏衛星都市」を含む)に区分できた。ただし,韓国の高齢者福祉サービスの供給量は人口学的な地域特性を適切に反映していないことが明らかになった。本論文では,以上の結果を基礎に,今後の韓国の地域社会福祉計画における人口学的特性を考慮した高齢者福祉サービス基盤整備と計画のあり方について論じた。
- 日本保健科学学会の論文
- 2006-12-25