筋収縮系におよぼす陰Ionの効果
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概要
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1.筋束を用いてPotassium-contractureにおよぼすSCN^-, I^-, NO_3^-, Br^-の効果を観察した結果, Cl^-に対して,これらanionは,[K]_0閾値濃度を減少せしめ得ることを知つた。2.Chloride-Ringer氏液中の[K]_0濃度の増大によつてSCN^-,I^-,NO_3^-, Br^-に敏感なある化学反応が生成され,この反応は少くとも10mM[K]_0から始まり,25〜30mM[K]_0でmaximumを示す。30mM[K]_0以上の濃度では,生成が消失あるいは,抑制せられる傾向にあつた。生成せられた化学反応は,上述のanionにより増強され,その効果は,SNC^->I^->NO_3^->Br^-の順であつた。3.Chloride, thiocyanate置換と[K]_0濃度変化で起し得るrepolarizationを同時にあわせ行つても,上述のある化学反応の生成は,一定濃度[K]_0に限定せられる範囲があることを認めた。4.この生成反応はdepolarizationと共に急速に生成され,一定の時間経過(20分)で消失するか,抑制せられる傾向にあつた。5.以上の実験成績から,Excitation-Contraction Coupling Systemに存在する生理学的過程について模式図的考察を行つた。
- 横浜国立大学の論文
- 1962-03-30